センツアマニ
FAMILIE OHNEHAND
マクシム・ゴルキイ Maksim Gorkii
森林太郎訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)黄金色《わうごんしよく》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)丈|魚《うを》の鱗を
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)疲※[#「やまいだれ+隆」、第3水準1−88−57]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ごろ/\
−−
島は深い沈黙の中に眠つてゐる。海も死んでゐるかと思はれるやうに眠つてゐる。秘密な有力者が強い臂を揮つて、この怪しげな形をした黒い岩を、天から海へ投げ落して、その岩の中に潜んでゐた性命を、その時殺してしまつたのである。
遠くから此島を見れば妙な形をしてゐる。遠くからと云ふのは、天の川の黄金色《わうごんしよく》をした帯が黒い海水に接した所から見るのである。そこから見れば、此島は額の広い獣のやうである。獣は曲つた毛むくじやらな背をしてゐる。
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