三種《さんしゅ》ありて、一を亜細亜虎列拉といい、一を欧羅巴虎列拉といい、一を霍乱《かくらん》という、此病には「バチルレン」というものありて、華氏百度の熱《ねつ》にて死《し》す云々。これはペツテンコオフエル[#「ペツテンコオフエル」に傍線]が疫癘学《えきれいがく》、コツホ[#「コツホ」に傍線]が細菌学《さいきんがく》を倒《たお》すに足りぬべし。また恙《よう》の虫《むし》の事語りていわく、博士なにがしは或るとき見に来しが何のしいだしたることもなかりき、かかることは処《ところ》の医こそ熟《よ》く知りたれ。何某という軍医、恙の虫の論に図《ず》など添《そ》えて県庁にたてまつりしが、こはところの医のを剽窃《ひょうせつ》したるなり云々。かかることしたり顔《がお》にいい誇《ほこ》るも例の人の癖《くせ》なるべし。おなじ宿《やど》に木村篤迚、今新潟始審裁判所の判事|勤《つと》むる人あり。臼井六郎が事を詳《つまびらか》に知れりとて物語す。面白《おもしろ》きふし一ツ二ツかきつくべし。当時秋月には少壮者《しょうそうしゃ》の結べる隊《たい》ありて、勤王党と称《しょう》し、久留米などの応援《おうえん》を頼みて、福岡
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