を非道な待遇から解放することが出來ずに死ななければならぬ。若し印度が劒の教義を採用したら、一時的の勝利を得るかも知れない。が、その時には、印度は私の心の誇りとはならなくなる。私が印度に愛着を感ずるのは、私のすべてを印度に負うてゐるからである。私は印度が世界に對して一つの使命を有つてゐることを堅く信じてゐる。印度は盲目的に歐羅巴を模倣してはならない。印度が劒の教義を採用する時は、私の試練の時であらう。私はその時が來ないことを望む。私の宗教は地理的限界を有たない。その信仰を把持する時それは私の印度に對する愛をも凌ぐであらう。私の生涯は、私が印度教の根柢であると信ずるところの非暴力の信仰によつて、印度のために盡すことに捧げられるであらう。
私は私を信じてゐない人に敢てお願ひするが、私を暴力主義者と考へて、暴動を煽動し、始まつたばかりの鬪爭の圓滑な進行を妨げないやうに望む。私は祕密は罪惡として嫌つてゐる。試みに諸君は「非暴力的非協同」を行うて見られよ、然らば私が何等隱し立てをしてゐないことが分るであらう。
[#天から3字下げ](一九二〇年八月十一日「ヤング・インデイア」紙所載)
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