ない的のものである。
 栽培はきわめて容易で、家の後《うし》ろなどに栽《う》えておくと年々|能《よ》く繁茂《はんも》して開花する。その茎上《けいじょう》に小珠芽《しょうしゅが》ができて地に落ちるから、それから芽が出て新株《しんしゅ》が殖《ふ》える特性を有している。
 日本にはこのシュウカイドウ科の土産《どさん》植物は一つもなく、ただあるものは外国|渡来《とらい》の種類のみである。温室内にあるタイヨウベゴニア(大葉ベゴニア)は、大なる深緑色葉面《しんりょくしょくようめん》に白斑《はくてん》があって、名高い粧飾《しょうしょく》用の一種である。

[#「シュウカイドウの図」のキャプション付きの図(fig46821_16.png)入る]

     ドクダミ

 ドクダミと呼ぶ宿根草《しゅっこんそう》があって、たいていどこでも見られる。人家《じんか》のまわりの地にも多く生じており、摘《つ》むといやな一種の臭気《しゅうき》を感ずるので、よく人が知っている。また民間ではこれを薬用に用いるので有名でもある。ドクダミとは毒痛《どくいた》みの意だともいわれ、またあるいは毒を矯《た》め除《のぞ》くの意だともいわれ、身体の毒を追い出すに使われている。また頭髪《とうはつ》を洗うにも使われ、またあるいは風呂《ふろ》に入れて入浴する人もある。すなわち毒を除くというのが主である。佐渡《さど》ではドクマクリというそうだが、これは毒を追い出す意味であろう。
 この草の中国名は※[#「くさかんむり/(楫のつくり+戈)」、第3水準1−91−28]《しゅう》であるが、ドクダミは今日《こんにち》日本での通名である。これをジュウヤクというのは※[#「くさかんむり/(楫のつくり+戈)」、第3水準1−91−28]薬《じゅうやく》の意、またシュウサイというのは※[#「くさかんむり/(楫のつくり+戈)」、第3水準1−91−28]菜《しゅうさい》の意である。草の臭気《しゅうき》に基《もと》づきイヌノヘドクサといい、その地下茎《ちかけい》は白く細長いからジゴクソバの名がある。またボウズグサ、ホトケグサ、ヘビクサ、ドクグサ、シビトバナなどの各地方言があるが、みなこの草を唾棄《だき》したような称で、畢竟《ひっきょう》不快なこの草の臭気《しゅうき》を衆人《しゅうじん》が嫌《きら》うから、このように呼ぶのである。馬を飼《か》うに
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