リなどの種類がある。ウバユリというのは異彩《いさい》を放ったユリで、もとはユリ属(Lilium)に入れてあったが、私はこれをユリ属から独立させて、Cardiocrinum なる別属のものとしている。その葉はユリの諸種とは違い、広闊《こうかつ》なる心臓形で網状脈《もうじょうみゃく》を有し、花は一茎に数花横向きに開き、緑白色《りょくはくしょく》で左右相称状になっている。鱗茎《りんけい》の鱗片《りんぺん》もきわめて少なく、花が咲くとその鱗茎《りんけい》は腐死《ふし》し、その側に一、二の仔苗《しびょう》を残すにすぎない特状がある。この属のもの日本に二種、一はウバユリ、二はオオウバユリである。インド・ヒマラヤ山地方に産する偉大なウバユリ、すなわちヒマラヤウバユリもこの属に属する。
輸出ユリとしては日本が第一で、年々たくさんな球根が海外へ出ていたが、戦争で頓挫《とんざ》していたけれども、これからふたたび、前日のような盛況《せいきょう》を見るであろうことは請《う》け合いで、わが邦《くに》園芸界のために、大いに祝《しゅく》してよろしい。その輸出ユリの第一はヤマユリ、次がテッポウユリ、次がカノコユリという順序だろう。これらのユリは、日本でなるべくその球根を大きくなるように培養《ばいよう》して、その球根を輸出する。先方ではそれを一年作って、さらにその大きさを増さしめ、そして次年《じねん》に勢《いきお》いよく花を咲かせてその花を賞翫《しょうがん》する。花が咲いた後、弱った球根は捨てて顧《かえり》みない。
ゆえに年々歳々《ねんねんさいさい》日本から断《た》えず輸入する必要があるので、この貿易は向こうの人の花の嗜好《しこう》が変わらぬ以上いつまでも続くわけで、日本はまことにまたと得がたい良い得意先を持ったものだ。また、良いユリをも持ったものだ。万歳万歳《ばんざいばんざい》。
[#「ユリの図」のキャプション付きの図(fig46821_12.png)入る]
ハナショウブ
ハナショウブは世界の Iris 属中の王様で、これがわが邦《くに》の特産植物ときているから、大いに鼻を高くしてよい。アメリカでは、花ショウブ会ができているほどなのであるが、その本国のわが邦《くに》では、たいした会もないのはまことに恥《は》ずかしい次第《しだい》であるから、大いに奮起《ふんき》して、世界に負け
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