. japonica[#「japonica」は斜体] Rehd.=Japanese Elm)を楡であると誤認して名づけたものである。そして楡の本物は、もとより日本には産しないこと上述の通りである。
上の和名のヤニレならびにイエニレは古名だが、またニレともネレともネリともさらにハルニレとも呼ばれる。ニレとは元来|滑《ヌレ》の意で、その樹の内皮が粘滑であるからかくいわれる。そして右古名のヤニレだが、これは書物に脂滑《ヤニヌレ》だともっともらしく書いてあるが、私はそれに賛成せず、これは家ニレの意だと解している。そして同じく古名のイエニレは家ニレだ。
周定王《しゅうていおう》の『救荒本草《きゅうこうほんぞう》』には救荒食の樹として、中国式な楡銭樹の図が出ている。
楡と同属の樹に蕪※[#「くさかんむり/(夷−十)」、231−11]《ブイ》というのがあって Ulmus macrocarpa Hance[#「Hance」は斜体] の学名を有し、その実を蕪※[#「くさかんむり/(夷−十)」、231−11]仁と号して薬用に供し、すこぶる臭気がある。この実の味がやや苦いので古人が和名としてニガニレの
前へ
次へ
全361ページ中303ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
牧野 富太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング