^《めいいべつろく》』には「※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草………九月十月ニ採リ以テ染メ黄金ヲ作《ナ》スベシ」とあり、唐の蘇恭《そきょう》がいうには「荊襄《けいじょう》ノ人煮テ以テ黄色ヲ染ム、極メテ鮮好ナリ」(共に漢文)とある。しかし日本人は恐らくこのチョウセンガリヤスを染料として黄色を染めた経験は誰もまだもってはいまい。
 日本の学者は古くから※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草をカイナのコブナグサにあて、コブナグサを※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草だと信じ切っているが、それは大間違いで※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草は前記の如くけっしてコブナグサではない。学者はそう誤認し、中国では上のように※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草が黄色を染める染料になるので、そこで日本で※[#「くさかんむり/盡」、第3水準1−91−34]草と思いつめていたコブナグサが染め草となったものであろう。すなわち名の誤認から物の誤認が生じた訳で、つまり瓢箪から駒が出たのである。染料植物でないものが染料植物に化け
前へ 次へ
全361ページ中141ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
牧野 富太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング