スのである。が、これはそうなっても別にそこに大した不都合はない。なぜなら禾本諸草はたいてい乾かしておいて煮出せば黄色い汁が出て黄色染料になろうからである。
前に還っていうが、日本の本草学者は王孫をツクバネソウとしている。しかしこの王孫は断じてツクバネソウそのものではない。そしてこのツクバネソウは日本の特産植物で、中国にはないからもとより漢名はない。
万葉歌のナワノリ
ナワノリ(縄ノリ)と呼ばれる海藻が『万葉集』巻十一と巻十五との歌にある。すなわちその巻十一の歌は「うなばらのおきつなはのりうちなびき、こころもしぬにおもほゆるかも」(海原之奥津縄乗打靡、心裳四怒爾所思鴨)である。そしてその巻十五の歌は「わたつみのおきつなはのりくるときと、いもがまつらむつきはへにつつ」(和多都美能於伎都奈波能里久流等伎登、伊毛我麻都良牟月者倍爾都追)である。
橘千蔭《たちばなちかげ》の『万葉集|略解《りゃくげ》』に「なはのりは今長のりといふ有それか」とあるが、このナガノリという海藻は果たして何を指しているのか私には解らない。そして今私の新たに考えるところでは、このナワノリというのは蓋し褐藻類ツ
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