な」
「どういたしやして、嘘《うそ》も隠《かく》しもありゃァしません。みんなほんまのことを申《もうし》上《あ》げて居《お》りやすんで。……」
「千|吉《きち》」
「へ」
「おめえ、二三|日前《にちまえ》に行《い》った時《とき》、おせんが誰《だれ》と話《はなし》をしてえたか、そいつをいって見《み》ねえ」
「話《はなし》でげすって」
「そうだ。おせん一人《ひとり》じゃなかったろう。たしか相手《あいて》がいたはずだ」
「お袋《ふくろ》が、隣座敷《となりざしき》にいた外《ほか》にゃ、これぞといって、人《ひと》らしい者《もの》ァいやァいたしません」
「ふふふ、お七はいなかったか」
「お七ッ」
「どうだ、お七の衣装《いしょう》を着《き》た浜村屋《はまむらや》が、ちゃァんと一人《ひとり》いたはずだ。おめえはその眼《め》で見《み》たじゃねえか」
「ありゃァ親方《おやかた》。――」
「あれもこれもありゃァしねえ。おいらはそいつを訊《き》いてるんだ」
「人形《にんぎょう》じゃござんせんか」
「とぼけちゃいけねえ。人間《にんげん》を人形《にんぎょう》と見違《みちが》える程《ほど》、鬼《おに》七ァまだ耄碌《も
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