ならべて、静《しず》かに橋《はし》の上《うえ》を浅草御門《あさくさごもん》の方《ほう》へと歩《あゆ》みを運《はこ》んだ。
「千|吉《きち》、おめえ、おせんのところへは出《で》かけたろうの」
「どういたしやして。妹《いもうと》にゃ、三|年《ねん》この方《かた》、てんで会《あ》やァいたしません」
「ふふふ。つまらねえ隠《かく》し立《だ》ては止《や》めねえか。いまもいった通《とお》り、おいらァおめえを、洗《あら》い立《た》てるッてんじゃねえ。こっちの用《よう》で訊《き》きてえことがあるんだ。悪《わる》いようにゃしねえから、はっきり聞《き》かしてくんねえ」
「どんな御用《ごよう》で。……」
「おせんのとこへ、菊之丞《はまむらや》が毎晩《まいばん》通《かよ》うッて噂《うわさ》を聞《き》き込《こ》んだんだが、そいつをおめえは知《し》ってるだろうの」
こう訊《き》きながら、鬼《おに》七の眼《め》は異様《いよう》に光《ひか》った。
六
鬼《おに》七の問《とい》は、まったく千|吉《きち》には思《おも》いがけないことであった。――子供《こども》の時分《じぶん》から好《す》きでこそあれ、嫌《
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