き》たのは、松《まつ》五|郎《ろう》の笑《わら》い声《ごえ》だった。
「はッはッは、若旦那《わかだんな》、まだそんなことを、いっといでなさるんでござんすかい。耳寄《みみよ》りの話《はなし》を聞《き》いてめえりやした。いい智恵《ちえ》をお貸《か》し申《もう》しやすから、小僧《こぞう》さんのしくじりなんざさっぱり水《みず》に流《なが》しておやんなさいまし」
中番頭《ちゅうばんとう》から小僧達《こぞうたち》まで、一|同《どう》の顔《かお》が一|齊《せい》に松《まつ》五|郎《ろう》の方《ほう》へ向《む》き直《なお》った。が、徳太郎《とくたろう》は暖簾口《のれんぐち》から見世《みせ》の方《ほう》を睨《にら》みつけたまま、返事《へんじ》もしなかった。
「もし、若旦那《わかだんな》。悪《わる》いこたァ申《もう》しやせん。お前《まえ》さんが、鯱鉾立《しゃっちょこだち》をしてお喜《よろこ》びなさる、うれしい話《はなし》を聞《き》いてめえりやしたんで。――ここで話《はな》しちゃならねえと仰《おっ》しゃるんなら、そちらへ行《い》ってお話《はな》しいたしやす。着物《きもの》もぬれちゃァ居《お》りやせん。どう
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