ぞう》の粗相《そそう》は番頭《ばんとう》の粗相《そそう》、手前《てまえ》から、どのようにもおわびはいたしましょうから、御勘弁《ごかんべん》願《ねが》えるものでございましたら、この幸兵衛《こうべえ》に御免《ごめん》じ下《くだ》さいまして。……」
「余計《よけい》なことは、いわないでおくれ」
「へい。……左様《さよう》でございましょうが、お見世《みせ》の支配《しはい》は、大旦那様《おおだんなさま》から、一|切《さい》お預《あず》かりいたして居《お》ります幸兵衛《こうべえ》、あとで大旦那様《おおだんなさま》のお訊《たず》ねがございました時《とき》に、知《し》らぬ存《ぞん》ぜぬでは通《とお》りませぬ。どうぞその訳《わけ》を、仰《おっ》しゃって下《くだ》さいまし」
「訳《わけ》なんぞ、聞《き》くことはないじゃないか。何《な》んでもあたしのいった通《とお》り、暇《ひま》さえ出《だ》してくれりゃいいんだよ」
 駄々《だだ》ッ子《こ》がおもちゃ箱《ばこ》をぶちまけたように、手《て》のつけられないすね方《かた》をしている徳太郎《とくたろう》の耳《みみ》へ、いきなり、見世先《みせさき》から聞《きこ》え来《
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