フ人混《ひとご》みに揉《もま》れ、段々、酔いが覚めて白々しい気持になるのでした。もうそのまま、帰りたくもなりましたが、皆で来ているのでそれもならず、再び店内に入ると、もはや、ほろ苦くなった酒を呻《あお》るのも止《や》めてしまった。間もなく、マスタアが出て来て、「お写真をとらせて下さい」という。酔払った連中は、二つ返事で銘々《めいめい》美女を相擁《あいよう》し、威勢《いせい》よくシャムパングラスを左手に捧《ささ》げ立った処《ところ》を、ポッカアンとマグネシュウムが弾《はじ》けて一同、写真に撮られてしまいました。
 所詮《しょせん》、だらしのないぼくが、そんなにも女色が嫌《きら》いだったというのは偏《ひと》えに、あなたからの手紙の御返事を待っていたからです。
 県人会でお逢いした翌日、ぼくは横浜へ着いた日に撮ったあなたの写真を、すぐあなたの寄宿舎のほうへ送っておきました。勿論《もちろん》、あなたの御迷惑《ごめいわく》を考え、あっさりした御手紙を添《そ》えておいたのですが、きっと返事が来るだろうと信じていました。返事が来れば、それからお付合をして、或《ある》いは結婚が出来るかとも思っていまし
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