の子供達と見物した帰りに、スマックなぞ噛《かじ》りに立寄るくらいでしたが、KOの柴山や上原などは、よくかよっていて行けばいつも顔を合せるほどでした。ことに美少年の上原などは、ナンシイ嬢《じょう》と仲が良く、いつもスタンドに肘《ひじ》つきあっては話を交していました。
ある日の事、一緒《いっしょ》に近所の床屋《とこや》まできた柴山と肩《かた》をくんで、その店に入って行くと、上原がもう来ていて、娘さんとなにか笑い話をしています。ぼく達は隅《すみ》っこでチョコレエトクリイムを貰《もら》い、二人でぼそぼそ嘗《な》めているとき、入口のドアを荒々《あらあら》しく押《お》して一人のアメリカの大学生が入ってきて、なにも註文《ちゅうもん》せず、スタンドの前に立ち、腕《うで》を組んだまま、じっと上原とナンシイ嬢の様子をみつめていました。
やがて上原の傍《そば》につかつかと立ち寄り、彼の肩を押えて、早口になにか言いだします。素破《すわ》とおどろき柴山と立ち上がろうとしましたが、意外にも大学生は、和《なご》やかな表情で、上原にドライブをしないかと誘《さそ》っています。上原はぼく達に一緒に来るかい、と聞き、ぼ
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