した。
 それは、仏蘭西の選手達でしたが、他《ほか》に、独逸《ドイツ》の選手達も、ずいぶん気持の好い連中で、ぼく達と顔を合せるたびに、直ぐ「オハヨオ」と愛嬌《あいきょう》たっぷりに、日本語で挨拶《あいさつ》してくれます。それが、朝、昼、夕方おかまいなしなのも嬉しく、ぼく達も「グウテンモルゲン」で一日中、間に合せます。
 伊太利《イタリイ》の選手達は、みんな、船乗り上がりかなにからしく、腕《うで》や肩《かた》に刺青《いれずみ》をみせていましたが、人柄《ひとがら》は、たいへん、あっさりしていて気持よく、いつぞやぼくと東海さんと連れだって、彼等《かれら》が女の子達《ヤンキイガアルズ》[#「女の子達」にルビ]と遊んでいる芝生《しばふ》を通りかかると、「ヘエイ、ボオイズ」とか、変なアクセントの英語で呼びとめ、ぼく達と肩《かた》を組み、写真を撮《と》ってくれました。連中のうちで、コオルマン髭《ひげ》を生した色男《ハンサムボオイ》が真中になり、アメリカ娘《むすめ》が、両脇《りょうわき》で、カメラに入りましたが、あとで出来上がったのをみたら、ぼくの鼻がずいぶん低く、厭《いや》だった。
 しかし、この人
前へ 次へ
全188ページ中114ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
田中 英光 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング