の雪小屋へ出かけてゆきました。キーシュは食事をしていましたが、礼儀正しく一同を迎え入れて、それぞれの身分に従って順序よく皆を席につかせました。母親は得意な気もちがしたり、きまりがわるいような気がしたりして落ちつきませんでしたが、キーシュは落ちつきはらっていました。
村の頭《かしら》は、ビムとバウンが持ちかえった話をくりかえして、最後にいかめしい声でいいました。
「ところでお前の狩の仕方をあかしてもらいたいのだ、ええキーシュ。お前はほんとに魔法を使っているのかな」
キーシュは目をあげて微笑《びしょう》しました。
「そんなことはありません、魔法などというものが子供に覚《おぼ》えられるでしょうか。僕は魔法使なんてものに知合《しりあい》はありません。僕は楽に熊が殺せる手だてを考え出した、ただそれだけのことです。頭の力です、魔法の力ではありません」
「誰にでも出来ることなのか」
「出来ますとも」
しばらくの間は物をいう者は一人もありませんでした。男たちは顔を見合わせています。キーシュは平気で食事をつづけていました。
とうとう村の頭がふるえ声で尋《たず》ねました。
「なア、キーシュ、それを
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