w密接の関係を有するものなることを知るのである。又性的生活に於ては『正』は屡々『不正』となり、他を犠牲にするは恐らく秘かに自からの犠牲となつてゐることであり『情熱』は義務のなし能はざる偉大にして美しき結果を生ずるものであることを吾人は知り得るのである。
要は唯だ人道に新しき存在を与ふる権利ある男女に対して常に偉大なる要求がなされなければならない[#「人道に新しき存在を与ふる権利ある男女に対して常に偉大なる要求がなされなければならない」に傍点]といふことである。
この新しき要求が容れらるゝには現在の結婚制度に従属せる親権を造る倫理的観念が顛がへされなければならないのである。その時にのみ全体の道徳的勢力が人間の生理的及び心理的性格の上に加へられるであらう。而して両親は子供とその子供の継承する特性に対して最も重要なる要素となるであらう。子供の性格が社会の道徳的観念を決定する要素となるまでは自然的道徳は非自然の道徳と入換はることは出来ないであらう。それは全ての禁慾主義が不必要になるといふ意味ではない。只だそれが人生の進歩に与ふる場合以外には要求されないのである。而して又全ての信実が消え失せ
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