@ ケルミッシュより
その夜、主峰の雲のなかで囂々《ごうごう》と雷が荒れた。電光が、尖峰《パーク》をわたりながら、アジアの怒りのように……ダネックへは死、ケティとケルミッシュは己が手におさめ……一人ただ日本人折竹のみに生還を許したのである。そして折竹は、※[#「けものへん」に果、181−10]※[#「けものへん」に羅、181−10]《ローロー》の人夫の背に負われて、 Zwagri 《ツワグリ》、九十九江源地《ナブナテイヨ・ラハード》と囈言《うわごと》を言いながら魔境をでた。
底本:「人外魔境」角川ホラー文庫、角川書店
※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫)
入力:笠原正純
校正:福地博文
1999年2月13日公開
2000年3月21日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作
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