引きちぎった検圧計もろとも、背後に倒れたのではないかと推断された。
 そうすると、案外刺傷の位置がものをいって、心臓を突かなかったのも、事によったら突き損ねたのであって、あるいは三人の盲人のうちでか――とも考えられるが、一方には、兇器がこの室になく、というよりも不可解至極な消失を演じ去ったのであるから、その点にゆき当たると、依然盲人は、この血の絵に凄気を添えている、三つの点景にすぎないとしか思われないのであった。
 その時、片隅にいる一団に遠慮したような声で、法水は検事に囁《ささや》いた。
「見給え支倉君、これも、今までの定跡《じょうせき》集にはなかったことだよ」
 と検事に、赤※[#「魚+覃」、第3水準1−94−50]《あかえい》のような形をしたドス黒いものを示した。
 それは、創口《きずぐち》を塞いでいる凝血の塊だったが、底を返して見て、検事は真蒼《まっさお》になってしまった。
「どうだ! 細い直線の溝があるじゃないか。たしか針金か何かで、皮膚と平行に突っ込んだにちがいないよ」
「たぶんそうだろうと思うがね。そうすると、これほど手数のかかる微細画《ミニアチュア》をだ。しかも、犬射復
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