々《いろいろ》と図の四縁《しえん》を折り曲げて合わせていたが、「法水君、洒落《しゃれ》はよしにし給え。幅広い刃形《やいばがた》はしているが、非常に正確な線だよ。いったいどこに、後から截《き》った跡があるのだ?」
「いや、そんなものはないさ」法水は無雑作に云い放って、全体が※[#右肩下がりのナイフの刀身に横線が一本入っている形(fig1317_04.png)、85−5]の形をしている黙示図を指し示した。「この形が、一種の記号語《パジグラフィ》なんだよ。元来死者の秘顕なんて陰険きわまるものなんだから、方法までも実に捻《ねじ》れきっている。で、この図も見たとおりだが、全体が刀子《とうし》([#ここから割り注]石器時代の滑石武器[#ここで割り注終わり])の刃形みたいな形をしているだろう。ところが、その右肩《うけん》を斜めに截った所が、実に深遠な意味を含んでいるんだよ。無論算哲博士に、考古学の造詣《ぞうけい》がなけりゃ問題にはしないけれども、この形と符合するものが、ナルマー・メネス王朝あたりの金字塔《ピラミッド》前象形文字の中にある。第一、こんな窮屈な不自然きわまる形の中に、博士がなぜ描《か》か
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