フ――と云うが扉《ドア》の羽目《パネル》にあって、それを君に、実際証拠として提供しよう」と法水は、相手の無反響を嘲り返すように、力を罩《こ》めて云った。
「ところで、例《ため》しに、こういう場合を考えて見給え。あらかじめ、針に竜舌蘭《リネゾルム・オルキデエ》の繊維を結び付けて、一方の扉《ドア》に軽く突き立てておき、その一端を鍵穴の中に差し入れて、そこへ水を注ぎ込む。すると、当然あの繊維が収縮を始めて、扉の開きがしだいに狭められてゆくだろう。その時、顳※[#「需+頁」、第3水準1−94−6]《こめかみ》を射った拳銃が、手許から投げ出されて、そうした機《はず》みに、二つの扉《ドア》の間へ落ちたのだ。そうして、何分か後に扉《ドア》が鎖されると、前もって立てておいた掛金が、パッタリと落ちる。いや、それよりも扉《ドア》の動きが、拳銃を廊下へ押し出してしまうじゃないか。勿論|竜舌蘭《リネゾルム・オルキデエ》の繊維は、針を引き抜いて、それごと鍵穴の中に没していったのだ」と言葉を切って、長く深く、慄《ふる》えがちな息を吸い込んだ。そして、真黒な秘密の重荷とともに、再び吐き出された。
「ところが熊城君、
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