g様の事件は終ったらしいね。けっして喝采《かっさい》をうけるほどの終局じゃないけれども、まさかこの洪牙利《ハンガリー》の騎士が、犯人とは思いも寄らなかったよ」それ以前すでに、棺台の上が調査されていた。そして、そこに残されている靴跡から判断すると、その端に立ったレヴェズが両手を革紐にかけ、足を離しながら、首を紐の上に落したことは疑うべくもなかった。その――てっきり海獣を思わせるような屍体は、同じく宮廷楽師《カペルマイスター》の衣裳を附けていて、胸のあたりがわずかに吐瀉物で汚されている。なお、推定時刻は一時間前後で、ほぼクリヴォフの殺害と符合していたが、革紐は襟布《カラー》の上からそのなりに印されていて、それが頸筋《くびすじ》に、無残なほど深く喰い入っていた。勿論あらゆる点にわたって、縊死《いし》の形跡は歴然たるものだった。のみならず、それを一面にも立証しているのが、レヴェズの顔面表情だった。その黝《くろ》ずんだ紫色に変った顔には、眉の内端がへの字なりに吊り上り、下眼瞼《したまぶた》は重そうに垂れていて、口も両端が引き下っている。勿論それ等の特徴は、いわゆる|落ちる《フォール》と呼ぶもので
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