ウん、私がもしデイシャス([#ここから割り注]沙翁の「ジュリアス・シーザー」の中でブルタスの一味[#ここで割り注終わり])でしたら、さしずめこの場合は、羽織の環《かん》にこう申すところでしょうよ。|一角獣は樹によって欺かれ《ザット・ユニコーンス・メイ・ビイ・ビトレイド・ウイズ・トリース》、|熊は鏡により《アンド・ベアス・ウイズ・グラセッス》、|象は穴によって《エレファンツ・ウイズ・ホールス》――と」
 そこで、とりあえず開閉器《スイッチ》の内部《なか》を調べることになった。ところがその結果は予期に反して、それには電障の形跡がないばかりでなく、把手《つまみ》を捻《ひね》って電流を通じても、大|装飾灯《シャンデリヤ》は依然闇の中で黙したままである。実に、それが紛糾混乱の始まりとなって、ついに問題は礼拝堂を離れてしまった。法水も、本開閉器《メインスイッチ》の所在を津多子に訊《ただ》す前に、なにより彼の早断を詫びなければならなかった。津多子は気勢を収めて、率直に答えた。
「その室《へや》は、礼拝堂から廊下一重の向うにございまして、以前は殯室《モーチュアリー・ルーム》([#ここから割り注]中世貴
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