ノある刳《く》り飾り――知っているだろうが、錫張《すずば》りの盃形《さかずきがた》をしたものに集中したのだ。したがって、そこから弦の間近に焦点が作られるので、当然壁の石面に熱が起らねばならない。そして、弦には異常はなくても、まず変化しやすいラミイの方は、組織が破壊されるのだ。ところが、そこに、犯人の絶讃的な技巧があったのだよ。と云うのは、二本のラミイの長さを異にさせた事と、また、それを弦《つる》の中で甘瓢《かんぴょう》形に組み、その交叉している点を弦の最下端――つまり、弓の本弭《もとはじ》の近くに置いたという事なんだ。すると、最初に焦点が、その交叉点よりやや下方に落ちて、まず弦よりやや短い一本が切断される。そうすると、幾分弦が弛むだろうから、その反動で撚《よ》り目が釘からはずれ、したがって弩《ど》が壁から開いて、当然そこに角度が作られなければならない。それから、太陽の動きにつれて焦点が上方に移ると、今度は弦を、その長さまでに縮めた最後の一本が切断される。そこで、箭《や》が発射されて、その反動で弩が床の上に落ちたのだよ。勿論床に衝突した際に、把手《ハンドル》が発射された位置に変ったのだろ
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