sわし》は虹を送りました。しかし、天空の虹は抛物線《パラボリック》、露滴の水は双曲線《ハイパーボリック》です。ですから、虹が楕円形《イリプティック》でない限り、伸子は儂《わし》の懐《ふところ》に飛び込んでは来ないのですよ」
「ですが、ここに奇妙な符合がありましてな。と云うのは、あの鬼箭《おにや》ですが、それがクリヴォフ夫人を吊し上げて突進し、さてそれから突き刺った場所と云えば、やはり、あの同じ門でした。つまり、貴方の虹もそこから入り込んでいった――鎧扉《よろいど》の棧だったのです。ねえレヴェズさん、因果応報の理というものは、あながち、復讐神《ネメシス》が定めた人間の運命にばかりではないのですからね」となんとはなしに不気味な口吻《こうふん》を洩らして、ジリジリ迫ってゆくと、いったんレヴェズは、総身を竦《すく》めて弱々しい嘆息を吐いた。が、すぐ反噬《はんぜい》的な態度に出た。
「ハハハハ、下らぬ放言はやめにして下さい。法水さん、儂《わし》ならあの三叉箭《ボール》が、裏庭の蔬菜園から放たれたのだと云いますがな。何故なら、今は蕪菁《かぶら》の真盛《まっさか》りですよ。矢筈《やはず》は蕪菁、矢柄
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