オ》る音が聞え、その飛沫《しぶき》が、星を跨《また》いで薄白く光っているのだ。事実、最初は法水のよくやる手――と思い、十分警戒していたにもかかわらず、ついに意表に絶した彼の透視が、その墻《かき》を乗り越えてしまった。そうして、勝敗の機微を、この一挙に決定してしまったのだった。やがて、レヴェズは力なく顔を上げたが、それには、静かな諦《あきら》めの色が泛《うか》んでいた。
「法水さん、儂《わし》は元来非幻想的な動物です。しかし、だいたい貴方という方には、どうも遊戯的な衝動が多い。いかにも、虹を送ったことだけは肯定しましょう。しかし、儂は絶対に犯人ではない。ダンネベルグ夫人との関係などは、実に驚くべき誹謗《ひぼう》です」
「いや、御安心下さい。これが二時間前ならばともかく、現在では、あの禁制があってもすでに無効です。もう何人《なんぴと》といえども、貴方の持ち分相続を妨げることは不可能なのですから。それより問題と云うのは、あの虹と窓にあるのですが……」
するとレヴェズは困憊《こんぱい》の中にも悲愁な表情を見せて云った。
「いかにも、あの当時伸子が窓際に見えたので、やはり武具室にいると思い、儂
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