ウよう、生き残った三人の渡り鳥のことですわ」そう吐き捨てるように云って、鎮子は凝然《じいっ》と法水の顔を正視した。「つまり、ああいう連中がどういう防衛的な策動に出ようと、津多子様は絶対に犯人ではございません――私はそれをあくまで主張したいのです。それにあの方は、今朝がたから起き上ってはいられますけど、まだ訊問に耐えるというほどには恢復《かいふく》しておられないのです。貴方なら、御存じでいらっしゃいましょう――抱水クロラールの過量がいったいどういう症状を起すものか。とうてい今日一日中では、あの貧血と視神の疲労から恢復することは困難なのでございます。いいえ私は、あの方にメアリー・スチュアート([#ここから割り注]十六世紀スコットランドにおける聖女のような女王。後に女王エリザベスのため断頭に処せらる――一五八七年二月八日[#ここで割り注終わり])の運命がありそうに思われて……。つまり貴方の偏見が危惧《あやぶ》まれてならないのですわ」
「メアリー・スチュアート※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」法水は突然興味に唆《そそ》られたらしく、半身を卓上に乗り出した。「そうすると、あの善良過ぎるほどのお
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