Cに上下しているのさえ、三人の座所から明瞭《はっきり》と見える。しかし、フラフラ歩んで来て座に着くと、彼女は昂奮を鎮めるかのように両眼を閉じ、双《もろ》の腕で胸を固く締めつけていて、しばらく凝然《じいっ》と動かなかった。それに、黒地の対《つい》へ大きく浮き出している茅萱《ちがや》模様の尖《さき》が、まるで磔刑槍《はりつけやり》みたいな形で彼女の頸《くび》を取り囲んでいる。それなので、偶然に作られてしまったその異様な構図からは、妙に中世めいた問罪的な雰囲気が醸《かも》し出されてくる。そして、樫《かし》と角石とで包まれた沈鬱な死の室の周囲《ぐるり》へ、それが渦のように揺ぎ拡がってゆくのだった。やがて、法水の唇が微かに動きかけて沈黙を破ろうとしたとき、あるいは先手を打とうとしたのだろうか、突如伸子の両眼がパチリと見開かれた。そして、彼女の口からいきなり衝いて出たものがあった。
「私、告白いたしますわ。いかにも鐘鳴器《カリリヨン》室で気を失いました際には、鎧通しを握っておりました。また、易介《えきすけ》さんが殺された前後にも、今日のクリヴォフ様の出来事当時にだって、奇妙なことに、私だけには不在
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