^ー・サープライズ》なんだよ。あれは、バロック時代に盛った悪趣味の産物なんだが、あれには水圧が利用されていて、誰か一定の距離に近づく者があると、その側に当る群像から、不意に水煙が上るという装置になっているのだ。ところが、この窓硝子を見ると、まだ生々しげな飛沫の跡が残されている。してみると、きわめて近い時間のうちに、あの噴泉に近づいて、水煙を上げさせたものがなけりゃならない。勿論それだけなら、さして怪しむべき事でもないだろう。ところが、今日は微風もないのだ。そうなると、飛沫がここまで何故に来たか――という疑問が起ってくる。支倉君、それが、また実に面白い例題なんだよ」と続いて云いかけた法水の顔に、みるみる暗影が差してゆき、彼は過敏そうに眼を光らせた。「とにかく、ライプチッヒ派に云わせたら、今日の犯罪状況《クリミナル・ジチュアチヨン》は|きわめて単純なり《ゼール・シュリヒト》――と云うところだろう。何者かが妖怪的な潜入をして、あの赤毛の猶太《ユダヤ》婆の後頭部を狙った。そして、射損ずると同時に、その姿が掻き消えてしまった――と。勿論、その不可解きわまる侵入には、あの Behind《ビハインド
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