lえたからだ。ところが熊城君、元来|十二宮《ゾーディアック》なんてものは、古来からありふれている迷信上の産物にすぎない。第一、文字暗号ではないのだから、肝腎《かんじん》の|秘密ABC《キイ・ウァード》を発見するのに必要な資料が、これにはてんで与えられていないのだ。しかし、僕はランジイ([#ここから割り注]マクベス、ジイヴィルジュ等と並ぶ斯道の大家。一九一八年、“Cryptographie”を発表す[#ここで割り注終わり])じゃないがね。仮定す――という慣用語は、まさに解読家にとって金科玉条に等しいと思うのだよ。何故なら※[#「冂+夂」に似た形(fig1317_30.png)、276−17](処女宮《ヴィルゴ》)とか※[#「Ω」に似た形(fig1317_31.png)、276−17](獅子宮《レオ》)とか云うように、十二宮《ゾーディアック》固有の符号はあるけれども、僕は猶太釈義法《カバリズム》をそれに当てて見たのだ。つまり一八八一年の猶太人虐殺《ポグロム》の際に、波蘭《ポーランド》グロジスクの町の猶太人《ジュウ》が十二宮《ゾーディアック》に光を当てて、隣村に危急をしらせたという史実がある
前へ
次へ
全700ページ中393ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小栗 虫太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング