アろが、それに眼を触れた検事と熊城はたちまちどうにもならない戦慄《せんりつ》に捉えられてしまった。見よ、ファウスト博士から送られた三回目の矢文ではないか! それには、いつものゴソニック文字で、次の文章が認《したた》められてあった。
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Salamander soll gluhen
     (火精《ザラマンダー》よ、燃えたけれ)
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  第五篇 第三の惨劇
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    一、犯人の名は、リュッツェン役の戦歿者中に

 Salamander soll gluhen(火精《ザラマンダー》よ、燃えたけれ)
 黒死館を真黒な翼で覆うている眼に見えない悪鬼が、三|度《たび》ファウスト博士を気取って五芒星呪文の一句を送って来た。それには、なにより熊城《くましろ》が、まず云いようのない侮辱を覚えずにはいられなかった。事実、残された四人の家族は熊城の部下によって、さながらゴート式甲冑のように、身動きも出来ぬほど装甲されているのである。それにもかかわらず、不敵きわまりない偏執狂的《マニアック》な実行を宣言して、
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