が、急にポープの『|髪盗み《レープ・オヴ・ゼ・ロック》』を止めて『ゴンザーゴ殺し』([#ここから割り注]ハムレット中の劇中劇[#ここで割り注終わり])の独白《せりふ》を引き出した。
「どのみち、|汝真夜中の暗きに摘みし草の臭き液よ《ザウ・ミクスチュア・ランク・オヴ・ミッドナイト・ウイーズ・コレクテッド》――でしょうからね」
「いや、どうして」と真斎は頸《くび》を振って、「|三たび魔神の呪詛に萎れ、毒気に染みぬる《ウイズ・ヘキッツ・バン・スライス・プラステッド・スライス・インフェクテッド》――とは、けっして」と次句で答えたが、異様な抑揚で、ほとんど韻律を失っていた。のみならず、何故か周章《あわてふため》いて復誦したが、かえってそれが、真斎を蒼白なものにしてしまった。法水は続けて、
「ところで田郷さん、事によると、僕は幻覚を見ているのかもしれませんが、この事件に――|しかるに上天の門は閉され《バット・ジ・イシリアル・ゲート・クローズト》――と思われる節があるのですが」と法水は、門《ゲート》という一字をミルトンの『失楽園』の中で、ルシファの追放を描いている一句に挾んだ。
「ところが、このとお
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