たい君は、何を云いたいんだ」と検事は、薄気味悪くなったように叫んだ。
「実は支倉君、この葬龕《カタファルコ》は並大抵のものではないのだ。ボズラ([#ここから割り注]死海の南方[#ここで割り注終わり])の荒野にあって、昼は鬣狗《ハイエナ》が守護し、夜になると、魔神降下を喚き出すと伝えられる――死霊集会《シエオール》の標《しるし》なんだよ」と法水は横なぐりに睫毛《まつげ》の雪を払って、云った。「だが僕は猶太《ヤーウェ》教徒でも利未《リビ》族([#ここから割り注]猶太教で祭司となる一族[#ここで割り注終わり])でもないのだからね。眼前に死霊集会《シエオール》の標を眺めていても、それをモーゼみたいに、壊さねばならぬ義務はないと思うよ」
「そうすると」熊城は衝《つ》くように云った。「先刻《さっき》の弱音器記号の解釈は、どうしたんだ?」
「それなんだ熊城君、やはり、僕の推定が正しかったのだよ」と法水は、|+《よこじゅうじ》の記号がもたらした解説を始めた。「僕が予想した三惑星の連結は、まさしく暗示されているのだ。最初に、墓地樹の配置を見給え。アルボナウト以後の占星学《アストロロジイ》では、一番手前の
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