は自室にて臥床す。
久我鎮子。訊問後は図書室より出でず、その事実は、図書運びの少女によって証明さる。
紙谷伸子。正午に昼食を自室に運ばせた時以外は、廊下にて見掛けたる者もなく、自室に引き籠れるものと推察さる。一時半頃鐘楼階段を上り行く姿を目撃したる者あり。
以上の事実の外いっさい異状なし。
[#ここで字下げ終わり]
「法水君、ダマスクスへの道は、たったこの一つだよ」と検事は熊城と視線を合わせて、さも悦に入ったように揉手《もみて》をしながら「見給え。すべてが伸子に集注されてゆくじゃないか」
法水はその調査書を衣袋《ポケット》に突き込んだ手で、先刻|拱廊《そでろうか》で受け取った、硝子の破片とその附近の見取図を取り出した。が、開いてみると、実にこの事件で何度目かの驚愕《きょうがく》が、彼等の眼を射った。二条《にじょう》の足跡が印されている、見取図に包まれているのが何であったろうか、意外にもそれが、写真乾板の破片だったのである。
二、死霊集会《シエオール》の所在
沃化《ようか》銀板――すでに感光している乾板を前にして、法水もさすが二の句が継げなかった。事実この事件とは
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