、これで見るとおりに、右捻《みぎねじ》だ。そして、心棒が全く螺旋孔《ねじあな》の中に没し去っていて、右へ低くなってゆく廻転は、すでに極限まで詰っている。しかし、一方伸子の肢態《したい》を考えると、腰を座深めに引いて、そこから下の下肢の部分はやや左向きとなり、上半身はそれとは反対に、幾分右へ傾いているのだ。まさにその形は、わずかほど左の方へ廻転しながら倒れたものに違いない。これは、明らかに反則的だ。何故なら、左の方へ廻転すれば、当然椅子が浮いてこなければならないからだ」
「曖昧な反語はいかん」熊城が難色を現わすと、法水はあらゆる観察点を示して、矛盾を明らかにした。
「勿論現在のこの形を、最初からのものとは思っちゃいないさ。しかし、例えば螺旋に余裕があったにしてもだ。失神時の横揺《よこぶれ》ばかりを考えて、それ以外に重量という、垂直に働く力があるのを忘れちゃならん。それがあるので、動揺しながらも、しだいにその方向が決定されてゆく。つまりその振幅が、低下してゆく右の方向へ大きくなるのが当然じゃないか。さらにまた、もう一案引き出して、今度は右へ大きく一廻転してから、現在の位置で螺旋が詰ったもの
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