)」、364−17]と双曲線《ハイパーボリック》※[#「《」の上下を付けた形(fig1317_46.png)」、364−17]を楕円形《イリプティック》※[#縦長の二重丸(fig1317_47.png)」、364−17]に続けると、その合したものが、KO になるだろうからね。つまり、地精(Kobold《コボルト》)の頭二字――K と O となんだよ。だから、僕はすかさず、それに暗示的な衝動を与えようとして、Kobold のKOを除いた残りの四字――bold《ボルト》 に似た発音を引き出そうとしたのだ。するとレヴェズは、三叉箭《さんしゃや》のことを Bohr《ボール》 と云った。またそれに続いて、レヴェズが僕を揶揄《やゆ》するのに、あの箭《や》が裏の蔬菜園から放たれたのだと云って、その中に蕪菁《リューベ》(〔Ru:be〕)と一|語《こと》を、しきりと躍動させるのだったよ。そこで支倉君、偶然にも僕は、レヴェズの意識面を浮動している、異様な怪物を発見したのだ。ああ、僕はステーリングじゃないがね。心像は一つの群《グループ》であり、またそれには自由可動性《フリモビリティ》あり――と云ったのは至言だと思うよ。何故なら、そのレヴェズの一語には、あの男の心深くに秘められていた一つの観念が、実に鮮かな分裂をして現われたからなんだ。いいかね支倉君、最初 KO と数型式《ナムバァ・フォムス》を泛《うか》べてから、レヴェズは三叉箭のことを Bohr《ボール》 と云い、心中|地精《コボルト》を意識しているのを明らかにした。また、それか、蕪菁《リューベ》という語《ことば》を使ったのだが、それには重大な意義が潜んでいた。と云うのは、地精《コボルト》に誘導されて、必ず聯想しなければならない、一つの秘密がレヴェズの脳裡にあったからだ。で、試しに一つ、三叉箭《ボール》と蕪菁《リューベ》とを合わせて見給え。すると、格子底机《ボールド・ルーベ》――。ああ、僕の頭は狂っているのだろうか。実は、その机と云うのが、伸子の室《へや》にあるのだがね」
地精《コボルト》の札《ふだ》――今や事件の終局が、その一点にかけられている。もし、法水の推断が真実であるならば、あの溌溂《はつらつ》たる娘は、ファウスト博士に擬せられなければならない。それから、伸子の室に行くまでの廊下が、三人にとると、どんなに長いことだったろうか
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