りは、鰡の通過が少なくなったために、こんな手段をやるらしいのだが、沼津製のからすみが、そんなに上等であるならば、沼津産は沼津産として売りだしたらば、よろしいではないか。
それは、ともかくとして伊豆半島からさらに西へ行った鰡群は、どこを目ざすのか。それが分からない。石廊岬の突端で、姿を没した鰡群は駿河湾の真ん中へ出てしまうのか、それとも伊豆七島の方の太平洋へ旅するのか、仲木や松崎の方へは姿を見せないという。
なんとなく、からすみで一杯やりたくなった。
底本:「垢石釣り随筆」つり人ノベルズ、つり人社
1992(平成4)年9月10日第1刷発行
底本の親本:「釣随筆」市民文庫、河出書房
1951(昭和26)年8月発行
初出:「釣趣戯書」三省堂
1942(昭和17)年発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2007年7月2日作成
青空文庫作成ファイル:
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