くれますし、何が分らぬといいますと、すぐに図書館で調べて、書抜《かきぬき》を送ってくれました。私が年をとって細《こまか》い文字など見づらいので、校正なども頼みますと、長年|馴《な》れているものですから、手早く親切にやってくれます。それをいつも感謝しておりました。酒を絶対に用いませんので、御礼心に、来そうな時には甘いお菓子を心懸けて取って置くようにしていました。
萎縮腎は一時|快《よ》くなりましたので、大晦日《おおみそか》には米や野菜を持って箱根へ湯治《とうじ》にまいりました。元旦にそこから寄越《よこ》した葉書に、「私は割合に元気にしております。元日と二日とは休養、三日頃から見物、携帯食糧のなくなる頃帰京」などとしてありました。全快したのかと喜んでおりましたら、二月の中頃に丹毒《たんどく》になったといって来ましたので、どうかと思って見まいますと、「もう足の痛みは取れた」といって、座敷の中をずっていました。それほどでもなかったらしいのですが、いろいろの病気も皆腎臓から出るらしいので、内心困ったものと思いました。
その年は例年よりも寒さが続いていました。三月二十日になってまだ雪を催してい
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