着する爲には木詣《やに》の類と植物の皮又は獸類《じゆうるい》の皮を細くしたるものを併せ用ゐしなるべし。
石鏃[#「石鏃」に白丸傍点] 石鏃《せきぞく》は通例《つうれい》長さ六七分にして其形状一定せざれど、何れも一端|鋭《するど》く尖《とが》り、左右常に均整《きんせい》なり。此種の石器|夥多《あまた》の中には石質美麗《せきしつびれい》、製作緻密《せいさくちみつ》、實用に供するは惜ししと思はるる物無きに非ず。小に過《す》ぎて用を爲さざる物有り、赤色《あかいろ》の色料《しよくれう》を塗《ぬ》りて明かに裝飾《かざり》を加へし物有り。是等は玩弄品《ぐわんろうひん》か裝飾品か將《は》た貨幣《くわへい》の如き用を爲せし物《もの》か容易《ようゐ》に考定《かうてい》する事能はずと雖も、石鏃《せきぞく》本來の用及ひ主要《しゆゑう》の用は、此所に掲《かか》げたる名稱《めいせう》の意味《いみ》する通り、矢《や》の先《さき》に着けて目的物《もくてきぶつ》を傷くるに在るや必せり。アメリカ土人中には現《げん》に石鏃を使用する者有り。ニウジヤアシイにては人類の前頭骨に石鏃の立ちたる儘《まま》の物を發見し、チリのコピア
前へ
次へ
全109ページ中58ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坪井 正五郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング