ひ》、木皮抔《もくひなど》敷《し》き列《つら》ねて座臥の塲所とせしなるべし。室内《しつない》一部分には土間《どま》有りて此所《ここ》は火を焚《た》き、水瓶《みづがめ》を置く爲に用ゐられたるならん。土器《どき》石器《せきき》の中には小さき物あり、美《うつく》しき物あり。是等《これら》が床《とこ》の上に直に置《お》かれたりとは考ふる能はず。余は室内《しつない》には大小種々の棚《たな》の有りし事を信《しん》ずる者なり。入り口の他にも數個《すうこ》の窓《まど》有りしなるべければ、室内《しつない》は充分《じうぶん》に明《あかる》かりしならん。[#地から2字上げ](續出)
[#改段]
○コロボックル風俗考 第六回(挿圖參看)
[#地から1字上げ]理學士 坪井正五郎
●器具
衣食住の事は述《の》べ終《おは》りたるを以て是より器具《きぐ》の方に移るべし。コロボックルは如何なる器具を用ゐしやと云ふ事を考ふるには三つの據有り。其一はアイヌの傳ふる口碑《こうひ》、其二は遺跡《いせき》に存する實物、其三は土器形状模樣《どきけいじやうもやう》よりの推測《すいそく》是なり。
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