ちう》にも或は同種《だうしゆ》のもの有らんか繩《なわ》、籠《かご》席《むしろ》の存在は土器《どき》の押紋《おしもん》及び形状《けいじやう》裝飾《そうしよく》等に由つて充分に證明《しやうめい》するを得べし。建築用《けんちくよう》の木材は火にて燒《や》き切り又は打製|石斧《いしおの》にて扣《たた》き切《き》りしなるべし、是等を括《くく》り合するには諸種の繩《なわ》及び蔦蔓《つたづる》の類を用ゐしなるべし
●室内の有樣
室内《しつない》の有樣に付きては口碑《こうひ》存せず。火を焚《た》きし跡《あと》の他、實地《じつち》に就いての調査《てうさ》も何の證をも引き出さず。余は茲に想像《そうぞう》を述べて此點に關する事實《じじつ》の缺乏《けつばう》を補《おぎな》はんとす。
昇降口《しようこうぐち》の高さは少くとも三尺位は有るべし。恐《おそ》らくは木製《もくせい》の梯子《はしご》或は蹈《ふ》み臺《だい》の設《もう》け有りしならん。入り口と周壁《しうへき》の或る部分《ぶぶん》には席《むしろ》を下げ置きしなるべく、地上《ちじやう》には木材を並《なら》べ、其上に席、編《あ》み物《もの》、獸皮《じう
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