寒冷《かんれい》なりしならんとの事を想像《さうざう》するなり。[#地から1字上げ](續出)
[#改段]
○コロボツクル風俗考 第四回
[#地から1字上げ]理學士 坪井正五郎
●飮み物
服飾《ふくしよく》の事は前回にて記《しる》し終《おは》りたれば是より飮食の事を記すべし先づ飮《の》み物には如何なる種類《しゆるゐ》有りしかと云ふに、人生《じんせい》欠《か》く可からざる水は勿論《もちろん》、此他に酒《さけ》とか汁《しる》とか云ふ如き或る嗜好飮料《しこうゐんれう》も有りしが如し。此|考《かんが》への據《よりどころ》は後に至つて明かならん。
未開社會に於ては井戸《ゐど》を掘《ほ》る術、水道を設《まう》くる術も無き譯故《わけゆへ》、コロボツクルの如きも、水の入用《にうよう》を感《かん》じたる時には必ず川邊に至りしならん。遺跡《ゐせき》より發見《はつけん》する所の土器の中には椀形《わんがた》のもの少からず。是等は實《じつ》に水を汲《く》み水を飮《の》むに適《てき》したるものなり。又水を貯《たくわ》へ置くに用ゐしならんと思《おも》はるる瓶鉢の類も發見品中に存在《そんざい》す。今日
前へ
次へ
全109ページ中29ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坪井 正五郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング