は身体全部《しんたいぜんぶ》悉皆比例正しく出來居《できを》るものには非《あら》[#ルビの「あら」は底本では「あらざ」]ざれど數個の土偶に於ては兩眼に當る部分《ぶぶん》殊に不恰好《ぶかつかう》に大きく作られたり。左に數例《すうれい》を掲ぐ。(※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]圖右の下及び第一回※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]圖右の方下の隅を見よ)
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一、陸奧國西津輕郡龜ヶ岡發見 佐藤蔀氏藏
二、同前 理科大學人類學教室藏
三、陸奧國二戸郡|小烏谷《コズヤ》村發見 同前
四、同前 同前
五、羽後國南秋田郡御所野發見 同地某氏藏
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是等土偶は眼の部何れも横長《よこなが》き橢圓形の輪廓を有し、其中央《そのちうわう》に一條の横線《よこせん》存在《そんざい》す。輪廓全体を眼とすれば横線を瞳《しとみ》とせざるべからず、横線のみを眼《め》とすれば輪廓は何《なに》なるや考へ難《がた》し。何れとするも能く解したりとは言ふべからず。然らば此奇異《
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