》の端緒を得ず。疾病の種類《しゆるゐ》にして存在の証跡を今日に留むるは黴毒と虫齒なり是等の事は遺跡より出つる骨《ほね》と齒《は》とに由りて知るを得る事なれど、風俗考には縁故遠き事故|細説《さいせつ》は爲さざるべし。治療の事は知るに由無しと雖とも鋭利なる石器骨器の存在を以て推せば外科的|施術《しゆじゆつ》は多少行はれしならんと考へらる。死亡者は如何《ゐか》に取扱《とりあつか》ひしか、普通《ふつう》の塲合は反つて知り難けれど、死者中の或る者を食ふ風習《ふうしふ》の有りし事は、貝殼《かいがら》、獸骨、等に混じて破碎せる人骨《じんこつ》の遺れるに由りて知るを得るなり。(第四回參照)    ○結論
余は本篇の初めに於て身体《しんたい》裝飾の事を云ひ、次で衣服、冠《かむ》り物|覆面《ふくめん》、遮光器、の事を述べ、飮食、より住居、器具《きぐ》に移り、夫より日常|生活《せいくわつ》、鳥獸魚介の採集、製造、美術、分業、貿易、交通、運搬、人事に付いてコロボックル風俗の大概《たいがい》を記し終れり今是等の諸事《しよじ》を通じ考ふるに、此|石器《せきき》時代人民の我々日本人の祖先《そせん》たらざりしは勿論、
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