有りと云へり。前にも述《の》べし如く、コロボックルは銛《もり》の類にて魚《うを》を捕《と》りし事も有り、網《あみ》を以て魚を捕りし事も有りしは明《あきら》かなれば、或る種類《しゆるゐ》の舟も存在せしならんとは推知さるる事ながら、そは丸木舟《まるきふね》の如き物なりしなるべく、草を編みたる物抔《ものなど》とは思ひも由《よ》らざる事なり。然《しか》らば此|輕《かる》き舟とは何を指《さ》すかと云ふに、口碑に隨へば、こは陸上にて荷《にな》ひ易《やす》く、水上にては人を乘するに足《た》る物なりとの事なり。エスキモ其他|北地《ほくち》現住民の用ゐる獸皮舟は是に似《に》たり。陸上にては使用者《しようしや》之を荷ひ、水上にては使用者是に乘る、誠に輕便《けいべん》なる物と云ふへきなり。所謂草とは如何なる物か詳ならされと、丸木舟とは構造《こうざう》を異にする一種の舟、恐らくは木の皮抔にて造りたる舟、も存在せしなるべし。(第三回挿圖參照)是等二種の舟は、人の往來、諸物の運送《うんそう》に際して等しく用ゐられしならんと考へらる。
○人事
出産、保育、結婚《けつこん》等の人事に關しては未だ探究《たんきう
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