石は他地方、恐《おそ》らくは信濃地方より此地方に運《はこ》ばれしものたる事明かなり。他の地方に於ける他の石質《せきしつ》に付いても同樣の事を云ふを得べし。異地方發見の土器《どき》を比較《ひかく》して、其土質、製法、形状、紋樣等を對照《たいせう》するも亦|類似《るいじ》の度《ど》強《つよ》くして一地方の物の他地方に移りし事、即ち異地方相互の間に交通ありし事を證明《せうめい》する事實《じじつ》少しとせざるなり。
    ○道路
釧路國釧路郡役所裏の丘上にはコロボックルの住居跡たる竪穴|數多《あまた》存在する事なるが、其並び方《かた》は一列に非すして、恰も道路を挾《はさ》みて兩側に一二列宛在るが如く成り居《を》るなり。(第五回參照)尚ほ精しく云へは、中央《ちうわう》に一線の往來《わうらい》有りて、其兩側に或は一戸宛|向《むか》ひ合ひ、或は向ひ合ひたる住居の後方にも亦一二戸の住居存在せしか如き有樣に、竪穴散在す。此塲合に於ては此邊|道路《だうろ》なりしならん、此所より此所の間には當さに道路有りしなるべきなり抔《など》と云ふを得れど、斯《かく》なる塲合は决して多からさるなり。一遺跡と他の遺跡との
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