が輝き始める。………
これが次第に烈《はげ》しく繰返される。二人、狼狽《ろうばい》して、為《な》すことを知らず。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
文麻呂 (不安そうに空を見上げ)なんだか妙な天候になって来ましたね。……
なよたけ (突然わらべ達に)みんな! 教えて頂戴! あたしには分らなくなってしまった。……この人達は一体誰なの!
雨彦 (空を見上げ)なよたけ! あんなあな[#「あんなあな」に傍点]だ!
わらべ達 あんなあな[#「あんなあな」に傍点]だ! あんなあな[#「あんなあな」に傍点]だ!
文麻呂 (訝《いぶか》しげに)どう云う意味なのです。……そのあんなあな[#「あんなあな」に傍点]って云うのは?
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]――幕――
第三幕
第一場
[#ここから2字下げ]
都大路《みやこおおじ》の一廓《いっかく》。……とある辻広場。
葵祭《あおいまつり》の日の午後。うららかな五月の祭日和《まつりびより》である。
舞台の両端には美しい花の咲き乱れた葵の茂みと小柴垣《こしばがき》がある。
そぞろ歩きの
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