お祈りしましょう! じゃ、いい? みんないつもの通り、そこんところにずっと並んで頂戴《ちょうだい》!
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わらべ達はそう云う習慣があるらしく、竹林の方に向って、一列に並ぶ。なよたけはその二三歩前に立つ。
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なよたけ みんなきちんとして、心をきれいに澄まして、もう余計なことは考えちゃ駄目よ。……けらお! お前何をしてるの?
けらお ぶよが刺《さ》したんだイ。(足をぼりぼり掻《か》いている)
なよたけ お前はどうもあてにならないわね。けらお、お前にも本当にあんなあな[#「あんなあな」に傍点]がいなくなったんでしょうね?
けらお ん、いねエ…………
なよたけ もう都の子供と石ぶつけなんかして遊びたがっては駄目よ。
けらお ん、あそばねエ…………
なよたけ さあ、それじゃもうここにはあんなあな[#「あんなあな」に傍点]はひとりもいなくなった!……もう悪い子はひとりもいなくなった!……みんな黙って、静かーに、お天道様を拝んでごらん! そうして、みんな心の中で何度も何度も云ってごらん! あたし達はみんなお天道
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