れずに、無明《むみょう》の闇の中に消え失《う》せて行くものと諦めておった。お若い方、それでは貴方はこの竹の里にあのなよたけが本当にいるとお思いなのだな? あのなよたけの赫映姫の語りつたえを本当に信じて下されると云うのじゃな?
文麻呂 信じる?……お爺さん! 何をおっしゃるのです! 僕はこの眼でなよたけに逢いました! この腕でなよたけを抱きました!……命をかけて、なよたけを愛したのです!
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間――
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竹取翁 おう、……それでは貴方だったのじゃな? なよたけの愛の琴糸《きんし》をふるわせるまことの心を持った若者は貴方だったのじゃな?……そう云えば、なよたけは近頃、ついと儂の眼の前に姿をあらわさぬようになってしもうた。まるで、遠い昔の思い出かなんぞのようにあれの姿はいつとはなしにこの儂の心からだんだんと薄れて行きましたのじゃ。……どこやらに、儂の代りになよたけを愛しはじめた人が確かにいると思っていた。儂に代ってなよたけの愛を受け入れて下さる人が確かにいると思っていた。……それが貴方だったのじゃ。お若い
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