》ノ秀臣《ひでおみ》
小野《おの》ノ連《むらじ》
大伴《おおとも》ノ御行《みゆき》
讃岐《さぬき》ノ造麻呂《みやつこまろ》(竹取《たけとり》ノ翁《おきな》)
なよたけ
雨彦
こがねまる
蝗麻呂《いなごまろ》
けらお
胡蝶《こちょう》
みのり
衛門の妻(声のみ)
陰陽師《おんようじ》
侍臣《じしん》
その他平安人の老若男女大勢

合唱隊
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(舞台裏にて、低い吟詠《ぎんえい》調にて『合唱』を詠《うた》う。人数は少くとも三十人以上であること)
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 時
今は昔、例えば平安朝の中葉


  第一幕

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例えば平安京の東南部。小高い丘《おか》の上。丘の向う側には広大な竹林が遠々と連なっているらしい。前面は緩《ゆる》い傾斜《けいしゃ》になっている。
ある春の夕暮近く――
舞台溶明すると、中央丘の上に、旅姿の石ノ上ノ綾麻呂と、その息子文麻呂。
遠く、近く、寺々の鐘が鳴り始める。
夕暮の色がこよなく美しい。
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綾麻呂 さあ、文麻呂。時間だ。

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